IoTとFileMakerとあなた

FileMakerにIoTデバイスを接続することで、現実世界とシームレスに連携させることが可能です。今回はAWS IoTボタンを使った例をご紹介します。


dbservices

IoT, FileMaker, and You

(元記事はこちら)

Michael Westendorf
2018/9/13

モノのインターネット(Internet of Things; IoT)が、日常生活での身の回りとのやりとりに急速に浸透してきています。Forbesは、2020年に世界のIoT市場が8.9億ドルに成長すると予測し、製造業とヘルスケア産業はそれぞれ890億ドルと1.335億ドルを投資すると見ています。あなたのビジネスではIoTはどう活用されるでしょうか? この記事では、モノのインターネットが、あなたのビジネスの生産性と品質をどのように向上させるかを見ていきます。

まずIoTの定義を確認しましょう。簡単に言えば、IoTとはあらゆるデバイスをインターネットに接続することです。今、あなたは自分のスマホがインターネットに接続できると考えているかもしれません。スマホはIoTデバイスでしょうか? 答えはYesと言えるでしょう。しかしこの記事の目的のために、簡単な装置を使って一般的なビジネスの課題解決に適用できるユースケースに焦点をあてます。簡単な装置とは「ボタン」です。

ビジネスにおけるIoT

IoTには今日多くの用途があり、その中には在庫管理、温度監視、資産管理、製品の最適化などが含まれます。FileMaker自体と同じように、多くのIoTソリューションは個々のビジネスニーズと要件に合わせてカスタマイズされています。あなたの会社が、最新かつ最高のウィジェットを今から作ると想像してください。そのウィジェットには、各マシンに供給される原材料を必要とします。各マシンへの材料供給がランダムな時間でなくなる可能性がある場合、補給のタイミングをどのように知ることができるでしょうか?

多くの会社は、材料が確実に供給され続けるために、無線機や従業員を使って絶えず監視しています。もし各マシンが簡単な仕組みを持ち、材料の補給をリクエストし、それと同時にFileMakerアプリケーションに稼働状況の統計を集約させ、材料補給・保守・故障を担当者に通知することができればどうでしょう。

そこでIoT

Amazon IoTボタン

AmazonのAWS IoTボタンはクラウドシステム上でプログラム可能なボタンで、簡単にセットアップして稼働させることができます。これを今回の記事のテーマに選んだのは、簡単な方法でデプロイとプログラミングができることが理由です。大規模なデプロイの場合には、ビジネスニーズに合わせてカスタマイズしたIoTデバイスをゼロから構築することができます。このボタンを使用すると、3種類のボタンの押し方(シングルクリック、長押し、ダブルクリック)を設定でき、FileMakerのカスタムApp内でそれぞれ別々のアクションをトリガするために使用できます。

FileMakerとの統合

AWSを使ったアプローチを進めて、現実世界とデジタル世界の間の通信を処理するためにAWS Lambdaを使用します。Lambdaはサーバレスのソリューションであり、サーバ設定・管理なしでコードを実行できます。使用した計算時間分のみ費用が発生し、コードが動いていない間は無料です。

AWS Lambdaの設定

AWS Lambdaは、物理ボタンとFileMakerアプリケーションの間の仲介役として機能します。Lambda用のサンプルコードはnode.jsで書かれています。あなた自身の情報を環境変数として入力できるため、設定が簡単です。

AWS Lambda FileMakerの設定

IoTボタンが押されると、LambdaはFileMaker Data APIを利用してFileMaker Serverと通信するnode.jsコードを実行します。この例では、WEB_LOGテーブルにレコードを作成してからスクリプトを実行し、押されたボタンの種類を判断して処理を行います。初期設定のままで、ボタンはシングルクリック、ダブルクリック、長押しの3タイプを区別することができます。

{“serialNumber”:”8675309″,”batteryVoltage”:”1714mV”,”clickType”:”SINGLE”}

このアプローチのいい点は、FileMakerスクリプトの力を借りて、受け取る情報を使って何でもできるところです。あなたが実際に始めてみるために、いくつかのアイデアを以下に示します。

  • ダッシュボードにグラフを表示して、部門別の保守リクエスト数をモニタリングする
  • 施設の全員に見えるよう複数のTVモニタを設定し、製造状況を監視する
  • 社内の主要メンバに、電子メールやテキストメッセージを送信する
  • FileMaker内で発注処理を作成し、サプライヤを統合して在庫品の購入を行うことで、発注プロセスを完全自動化する

まとめ

FileMakerのカスタムAppをカスタマイズされたIoTソリューションと統合することで、合理化・監視・全体最適化された優れたビジネス環境の構築など、無限の可能性が広がります。あなたのIoTデバイスをFileMakerと統合する方法について、支援が必要な場合はお気軽にお問い合わせください。

デモファイルのダウンロード

元記事のフォームにコンタクト情報を入力し、デモファイルをダウンロードしてください。(GMailなどのWebメールでは登録できないようですので、ご注意ください。)

Leave a Reply