Zapier統合用FileMaker管理API 「Admin FM」

今回ご紹介する記事は、FileMakerのAPIがRESTに対応したことによって可能となった例の一つです。Zapierは、IFTTTMicrosoft Flowに似た、アプリケーションを自動連携させるためのWebサービスです。興味のある方はAdmin FMのベータテストに参加してみてはいかがでしょうか。


beezwax

Introducing Admin FM – the FileMaker Admin API for Zapier

(元記事はこちら)

Brendan Pierce
2018/11/20

Admin FMを紹介します。このツールは、FileMaker Admin APIに簡単かつカスタマイズ可能な方法でアクセスするためのZapier統合ツールです。Node.jsを使用して構築されており、現在はまだベータ版ですが、FileMaker Admin APIのほとんどの機能にアクセスすることができます。


管理者FMのロゴ

Zapierとは?

ここで改めてZapierとは何か、そしてそのプラットフォームとしての位置付けについて少し説明しましょう。高いレベルで言うと、Zapierはさまざまなアプリケーションを接続するためのツールです。

Zapierでワークフローを探索するためのアプリを選ぶ

たとえば、Box.comに写真をアップロードしたときにツイートを送信する”Zap”(Zapier用アプリケーションをこう呼びます)を作成できます。あるいは、クライアントから電子メールを受信したときに、Slackのチャンネル上の全員にグループメッセージを送信させることもできます。可能性は実質的に無限です。

どのような仕組みで動くのか?

Zapierでホストされている各アプリケーションの背後には、”API”と呼ばれるプログラム層があります。Zapierは最初のアプリケーションのAPIを”Trigger”として使用します。Triggerの意味は、それが何かを起動するトリガーになるということです。トリガーとしては、電子メールの取得、Googleドライブへのドキュメントのアップロード、Admin FMの場合はサーバーが突然オフラインになることなどがあります。トリガーイベントが発生した後、Zapierは2番目のアプリケーションのAPIにリクエストを送信します。これは”Action”と呼ばれます。Admin FMに関しては、サーバーがダウンした場合に通知を自動送信することができます。Admin FMを使用して、データベースのバックアップのスケジュールを作成することもできます。

重要: FileMaker 17では、Admin APIはトライアル機能と見なされており今後変更される可能性があります。また、今後機能を継続して使用するためにはFileMakerのアップグレードが必要になります。そのため、Admin FM自体も将来変更される可能性があります。

Admin FMの使用例

Admin FMの使用方法を見るために実際の例を具体的に見ていきましょう。 Zapのトリガーとアクションを定義するワークフローを記述することから始めます。

やりたいこと:
FileMaker Server上のすべてのデータベースに接続されているすべてのクライアントにメッセージを送信する
タイミング:
携帯電話からテキストメッセージを送信したとき


ステップ1: Zapierアカウントを作成する

Zapierのサイトにアクセスし、サインアップしてアカウントを作成します。無料アカウントで、最大5つのZapを作成できます。Zapは月に100回実行することができるので、軽めのワークフロープロセスには理想的です。


ステップ2: Admin FMを使用するための招待を受け取る

Admin FMはZapとして現在ベータテスト中のため、Zapierからのベータ招待を要求して受け取る必要があります。招待を要求して受け取るには、ここをクリックしてください。

注意: Admin FMが”ベータ”から本番にステータスを移行するためには、規定数のアクティブユーザが必要です。ベータ版を終了する前にバグを解消し、ユーザーエクスペリエンスを向上させたいので、Admin FMで問題が発生した場合は、この記事の末尾にあるコンタクト情報を参照してください。


ステップ3: FileMaker ServerをZapierに接続する

Zapierで接続しているアカウント

Admin FMにアクセスできたら、APIを使用するためにサーバーで認証をおこないます。ホーム画面で”Connected Accounts”をクリックして”Admin FM”と入力すると、Admin FMアカウントがポップアップ表示されるのでクリックします。

新しいウィンドウがポップアップ表示され、Server Adminの認証情報を使用してFileMaker Serverに接続するように求められます。入力したら、”Yes, Continue”をクリックします。

ZapierにAdmin FMへのアクセスを許可する


ステップ4: Triggerを設定する

‘Make a Zap!’ボタンをクリックします。

Zapボタンを作る

トリガーアプリを選択

これがZapを定義する画面です。Zapは”Trigger”と”Action”で構成されます。トリガーとして機能するアプリケーションと、トリガーが発生したときに起動するアクションとして機能するアプリケーションを選択します。

まとめると、やりたいことはFileMaker Server上のすべてのデータベースに接続しているすべてのクライアントにメッセージを送信することで、そのタイミングは携帯電話からテキストメッセージを送信したときにそのメッセージが送信されるようにします。つまりトリガーイベントはテキストメッセージの送信であり、アクションイベントはそのテキストメッセージを受け取ってサーバー上のすべてのクライアントにメッセージを送信することです。はじめに、いくつかの選択肢がありますが、ここではTwilioを使用しましょう。

Twilioトリガーを選択

いくつかの選択肢からNew SMSを選択し, “Save + Continue”をクリックします。Twilioアカウントを作成していない場合は、Admin FMを使用したときと同じように、アカウントを作成または接続する必要があります。 twilio.comにアクセスし、”Get a free API key”をクリックしてください。

無料のAPIキーボタンを入手

指示に従ってアカウントを設定します。設定ができたら、ZapierのフィールドにAccount SIDAuth Tokenをコピーします。

TwilioにZapierアクセスを許可

Twilioサイトでもう1つ作業があります。TwilioサイトのTwilio Dashboardで”Programmable SMS”をクリックし、”Get Started”を選択します。再度、画面の指示に従ってTwilioの電話番号を取得します。この番号を、Zapをトリガーするために使用します。”Edit Options”ページを更新すると、ドロップダウンメニューに新しい電話番号が表示されています。

Twilio SMSをセットアップする

最後に、Twilioの番号へメッセージ付きのテキストを送信して、機能していることを確認します。メッセージを送信したら、”Fetch & Continue“をクリックして、受信したSMSテキストを表示します。

Twilio Zapテスト成功


ステップ5: Actionを設定する

それではアクションを定義しましょう。概要としては、テキストを受け取ったときに、FileMaker 17 Serverに接続している全員にFileMakerからメッセージを送信するようにします。‘Admin FM (1.0.0)’ベータプログラムを選択します。

Zapierでアクションアプリを選択してください

次のページに、Admin APIの全機能のリストが表示されます。”Send a Single Message to All Clients(すべてのクライアントに単一のメッセージを送信する)”を選択します。

クライアントに単一のメッセージを送信する

画面に表示されるダイアログのオプションに従って、Admin FMアカウントに接続します。

Admin FMをZapierに接続

次に、接続されているすべてのFileMaker Serverクライアントに送信される”Message Content (メッセージの内容)”として”Body”を選択します。

メッセージコンテンツ本文


ステップ6:Zapをテストして有効化させる

次のページで、Zapをテストして正しく機能するか確認します。すべての設定が完了したら、Zapに名前をつけ、使い始める準備が整いました。携帯電話からメッセージを送信し、それがFileMakerソリューション上に表示されるのを確認します。ZapierがTwilioをポーリングして新しいメッセージを確認するまで数分(最長15分)待つ必要があります。他に待ち時間なしで動作する実装もあります。
テキストメッセージの内容:
Twilioテストテキスト

FileMaker内の表示:


より柔軟なシステムのために

Zapierはいくつかの点でユニークなプラットフォームです。多くの種類のAPIを簡単に使用できるようにして、一見複雑なやりとりを一連の簡単な命令にまとめることができます。これにより、アプリケーションの統合をおこなう上で、アクセシビリティと柔軟性が大幅に向上します。膨大な数のアプリケーションが利用可能で、無料のZapierアカウントではZapの実行は月に最大100回までしか許可されませんが、テストと簡単なタスクには十分です。

Admin FMはFileMakerのAdmin APIにしか対応していませんが、同様の方法でZapierをFileMakerのData APIと統合することができます。私の願いは、多くの開発者がZapierとFileMakerの統合によってできることの可能性を探求し、革新を進め、拡大し続けることです。

FileMaker Admin APIについて

この記事の執筆時点では、FileMaker Admin APIはトライアル機能と見なされており、今後もFileMakerが機能しつづけるために、変更・改善・アップグレードされる可能性があります。それにしたがってAdmin FMも、ZapierとFileMaker Admin APIを統合するために、変更、改善、アップグレードされる可能性があります。

Admin FMについて – ZapierでFileMaker Admin APIを使用する

最後に改めて、Admin FMはZapierアプリ(別名 “Zap”)として現在ベータテスト中です。ベータプログラムに参加するには、ここをクリックしてZapierアカウントを作成し、ベータプログラムへの招待を受け取ってください。

Admin FMのZapier実装の完全なソースコードはGitHubから入手できます。 あなたがこのプロジェクトに貢献することに興味があるならば、ぜひ私達にコンタクトをとってください。

Admin FM for Zapierは、Zapierアプリとして現在ベータテスト中です。バグを発見した方は、エラーメッセージを添えてinfo@beezwax.netにご連絡ください。

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